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アフリカのことわざ


更新日:2024/1/28

ことわざとは、
言葉を食べやすくさせる
椰子油のようなもの

チヌア・アチェベ
(ナイジェリアの作家)

梅田洋品店は「アフリカのことわざ」をツイッターで配信してます(追記:ツイッターの名称がXになった頃に、自動での配信が止まってしまいました。いずれ復旧を試みてみます)。

思わず「うーん、深い!」とうなってしまう諺・箴言・格言の数々。集めたコトバは600句以上(2021年9月現在。少しずつ追加してます)。

その中から「リツイート」や「いいね」されて反響が多く、なるべくアフリカの地理や文化が感じられるようなものを17句ほど選び、ここで紹介します!

アフリカのことわざ 17句

1)新聞や本でよく引用される「アフリカのことわざ」ナンバーワン?

山と山は出会えないが
人と人は会うことができる

ケニア

2)あの縞模様は暑さ対策か害虫予防か、諸説あります

シマウマを追っても
必ずつかまえられるわけではないけれど
つかまえた者は追っていた者

アフリカ南部

3)あきらめが肝心

丸太がどんなに長く
水につかっていても
決してワニにはならない

西アフリカ諸国

4)考えさせられます

早く行きたいなら
ひとりで歩いてください
遠くまで行きたいなら ほかの者とともに歩いてください

不詳

5)深い!

私がいるのは
みんながいるから
みんながいるのは
私がいるから

南アフリカ、ズールー人
(Ubuntuという単語の意味のひとつ)

6)悲しいけど…

あなたが火をおこすとき
人々は喜んで参加します
あなたが灰の始末をするときは
たいていほかに誰もいません

不詳

7)これはこれ、それはそれ

ロブスターは
水が好きだけど
自分が調理されるときの
それは別

セネガル

8)美も大切

木を植えるときは
一本だけではなく
三本植えなさい
日除けのためと
果物のためと
美観のために

不詳

9)うまいこといいます

ラクダは
重い荷物には耐えられるが
しばり方の悪いロープには
耐えられない

ソマリア

10)アフリカで三番目の長さの大河

ニジェール川でさえ
島をよけて流れる

ナイジェリア

11)…深いです

豊富さとは
霧のようなもの

ボツワナ

12)バオバブが出てくることわざは多いです

英知とは
バオバブの木のようなもの
誰も一人でそれを
抱きしめきれない

西アフリカ諸国

13)あえてリラックス

バッファローに追われて
木のてっぺんに登るはめになったら――
景色を楽しみなさい

不詳

14)現地で教わったことわざ

コラの実を包むのは

人を包むのは?
―― 人である

シエラレオネ(コラの実

15)政治や歴史の本でよく引用されてそう

ゾウたちが戦えば
苦しむのは草たち

ケニア

16)日本にあれば、アフリカにも

ペンバ島にあるならば
ザンジバル島にもある

タンザニア

17)人生は……

人生はメッセージです 聞きなさい
人生は信念です 信じなさい
人生は贈り物です 受け取りなさい
人生は愛です 想いなさい
人生は冒険です 挑戦しなさい

南アフリカ、北ソト人

以上、17句をピックアップしてみました。

心に感じる句はいくつかあったでしょうか。

【おまけ】こんな本から、こんなことわざ

『半分のぼった黄色い太陽』 C・N・アディーチェ

「耳の聞こえない者に挨拶しよう、もし天が耳を貸さないならば、大地が聞いてくれるだろうから」 ナイジェリア(イボ人)

『祈りよ 力となれ』 リーマ・ボウイー

「急に雨が降ると、羊もヤギも同じ屋根の下に入る」 リベリア

『援助じゃアフリカは発展しない』 ダンビサ・モヨ

「木を植えるのにうってつけの日は20年前、次によい日は今日」 アフリカ(不詳)


出典(ソース)について

アフリカ関連の本(文学、旅行記、文法書、経済書、伝記、人類学者の報告書…)を開くと、かならず(!?)ことわざが引用されてるものです。

このページに掲載したことわざはそのような本や、インターネットからの情報のほか、実際に現地でたずねて教えてもらったものもあります。

X(旧ツイッター)では、それぞれのことわざには、できるかぎり国名や民族名を記してます(時には引用元の本のタイトルも)。

とはいえ、ことわざはどこで誰がいつ言い出したのか、はっきりしない「不詳」の句も多いです。カメルーンで聞いたことわざが、ある本ではブルンジのものとされていたり。中には、ほんとうにアフリカで使われているのかさえ怪しい句も…。

ヨーロッパやアラブのことわざとまったく同じ「アフリカのことわざ」もネット上で見かけます。日本でも、たとえば「豚に真珠」「一を聞いて十を知る」はそれぞれ『新約聖書』と『論語』が出典……と知っている人は多くないでしょう。ほとんど「日本のことわざ」になってしまってますね。

ついでに書いておくと、古いことわざには今日では差別、迷信とされる不適切な表現もたくさんあるものです(日本だと、「女の浅知恵」など)。アフリカも同じで、「残念なアフリカのことわざ」もあります。言い伝えだからといって、すべての人や社会に当てはまる真理というわけにはいきません。

それはともかく、あの広い大陸にはまだまだ素敵な言葉があることでしょう。今後も収集を続けようと思ってます。

なお、Xには「アフリカのことわざ」とはべつに、梅田洋品店のアカウントもあります。合わせてフォローいただけたら嬉しいです。

@africakotowazaが元となった書籍『アフリカのことわざ』が2018年8月に発売されました。

総ルビ&素敵なイラスト。小学生から大人まで手にとってもらいたい本です。
が、その後、出版社の経営の事情で入手困難となってしまいました。出版業界の皆さま、ふたたびの書籍化のオファーをお待ちしております。

【お詫び】初版p.103のイラストのスワヒリ語は、見出しの「嫉妬は~」とは別の句で、「トウガラシの粉をマスカラにしないで(私を怒りの目で見ないで、私に嫉妬しないで)」という句です。「嫉妬やめて系の類句」と思っていただけたら幸いです(第二版は見出しと同じスワヒリ語の句に修正済み)。

梅田洋品店は東京・茗荷谷のアトリエにて《アフリカワイイ》一点ものの洋服作りをしています。詳しくは梅田洋品店についてをご覧ください。

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